私たちは無意識に心の耳栓をしている

電車に乗っている時、携帯を見つめ自分だけの世界に没入する。。。ねこにゃん
その世界は液晶という枠の中にとどまった閉ざされた世界。
その世界に入り込めば入り込むほど、心の扉は閉じて行き、周りの状況には気づけなくなっていく。

 

イラスト:ポカポカ色

もちろんそうなってしまうのは仕方ないのかもしれない。
なぜなら、刺激が多すぎるからだ。。。

 

日本民営鉄道協会の調査によれば、

平成24(2012)年度 駅と電車内の迷惑行為ランキング

順位迷惑行為項目割合(%)
1位 騒々しい会話・はしゃぎまわり等 34.8%
2位 座席の座り方 28.9%
3位 ヘッドホンからの音もれ 26.6%
4位 乗降時のマナー 26.5%
5位 携帯電話の着信音や通話 24.8%
6位 ゴミ・空き缶等の放置 18.1%
7位 混雑した車内へのベビーカーを伴った乗車 17.1%
8位 荷物の持ち方・置き方 17.0%
9位 電車の床に座る 16.6%
10位 車内での化粧 16.5%

 

ただ、この世に生まれてきてもともと持っている創造の力に目を向けずにいるのは、なにか大切なものに蓋をしたまま一生を終えてしまいかねないようにも感じられます。

 

ただ、あまりにも刺激が多すぎて蓋をせざるを得ない状況にあるというのが本当のところなのかもしれません。

 

無意識への働きかけという観点からすると、目からの情報は言葉よりも圧倒的に多いようです。

ハイデルベルク大学生理学研究所のマンフレート・ツィメルマン教授の研究によれば、人間の脳は、毎秒1100万ビットもの情報を「無意識」に受け取っているとのこと。

 

そして私たちが「見て」、「聞いて」、「感じて」いると「意識」できている情報量は、たったの77ビット程度しかありません。

 

意識に上がってくるまでに殆どの情報が処分・省略・圧縮されてしまうようです。
ユーザーイリュージョン

データ出典:ユーザーイリュージョン 意識という幻想 トール・ノーレットランダーシュ著  

 

上記のように1100万ビットのうち視覚は1000万ビット、触覚は100万ビット、聴覚が10万ビット、嗅覚が10万ビット、味覚が1000ビット。(味覚が視覚に引っ張られやすいというのもうなずけます)

意識できるのは合計で77ビット程度、受け取っている情報の0.0007%しかない。
意識できることの14万倍以上の情報を受け取っているというのに。。。


ドイツの生理学者のトリンカーは、「我々の目が見、耳が聞き、その他の感覚器官が伝える情報の100万分の1だけが意識に現れる」といっており、人間の頭には、意識が知覚する情報の100万倍の情報が入ってくるとのこと。

15秒以内に9割近くの情報を人間は忘却してしまいますから、その時覚えている情報の100万倍の情報を受け取っていると考えていいのでしょう。

無意識で受け取っている情報も忘却していくのでしょうから結局は、潜在意識は10万倍程度の情報を受け取っているというのが妥当でしょう。

10~100万分の1が意識できて残りは無意識(潜在意識)へ。。。
意識できることの10~100万倍の情報が無意識への働きかけをしていないとは誰も言い切れません。
意識できることは、反復すると脳が重要なこととして忘れないように記憶します。

学習するためには反復が必要ですからね。
ということは、
目から入る情報なども反復すると脳は重要なことして忘れないように定着させてしまうかもしれません。

無意識に反復され情報が蓄積される。
その情報が整ったものじゃなかったら、思考も整わず混乱しがちになることでしょう。
そうすれば心の状態も安定せず言動も乱れてきます。

その結果、雑然としてて混乱したモヤモヤ感のある人生を過ごしてしまうかもしれません。

目に見えるものだけじゃなく、自分を取り囲む環境には、色や光や形、素材や暖かさ、音楽(音)、香りなどいろんなものが情報となりえます。

家の明かりの色や明るさ。
壁紙の色。
ポスターや絵。
窓からの風景。
部屋の広さや整理の度合い。
香りや匂い。
人の表情。
ペット。
植物などなど。

突き詰めれば風情とか風水とかになるかもしれませんが、こういった五感が受け取る情報が、無意識に受け止められ、そのメッセージの方向性に見合った、言動をして、現実を引き寄せることになるのでしょう。

このような側面からみると、私たちがマインド(思考)にハマってしまいがちなのは、私たちを取り囲む空間の情報がそうさせているとも考えられるのです。

 

そして心の耳栓をすることで自分の世界の中だけに閉じこもり、頭と身体を切り離してしまい、感覚を閉じてしまうのも、そして人の話よりも自分の心の声ばかり耳を傾けてしまうのもうなづけるのです。

 

(つづく)


2013年02月03日